大分県内の景気動向について

日付 2017/11/09
卓話者 株式会社 東京商工リサーチ 大分支店 支店長 黒岩 大輔様

2017年度上半期(4月~9月)の大分県内の企業倒産は17件、負債総額は64億6,100万円であり、件数は前年同期比▲5件、負債は同▲12億3,400万円、件数については平成以降最少です。また、大分県内に立地する進出工場群では安定した稼働状況が窺われ、不動産投資や住宅着工も一定水準をキープしているほか、金融緩和状況にも大きな変化はみられず、2017年度は過去最低水準の倒産件数が予想されます。

九州・沖縄地区及び全国の企業倒産も同じく低水準で推移し、「倒産」という視点からみても景気は良いように感じますが、最近は「求人難型」を含め人手不足による倒産が増加傾向にあり、2017年度上半期の全国企業倒産は9年ぶりに増加に転じました。今後も急激に企業倒産が増加するとは予想し難い状況にありますが、個人消費が盛り上がりに欠ける中、人手不足や人件費上昇等に苦しむ中小・零細企業は少なくなく、業績改善が遅れた中小企業の倒産が徐々に増加していく可能性が強まっています。

次に大分県主要企業の業種別動向です。

①総合建設業・建築工事業主要5社の直近決算は増収増益1社、減収増益3社、増収減益1社。人手不足に伴う受注単価の上昇を背景に4社が増益傾向にあります。
②建材・電材卸売業主要4社は増収増益1社、減収増益1社、減収減益2社。うち2社は50%以上の自己資本比率をキープするなど、強固な財務基盤を構築。
③石油卸売業主要4社は減収増益2社、減収減益2社。原油価格の下落で4社すべてが減収、さらに4社すべてが純利益率1%以下で利益確保に苦慮しています。
④運送業主要5社は燃料安やドライバー不足に伴う選別受注の強化が奏功し、5社すべてが増収増益、うち4社が経常利益率3%台となっています。
⑤スーパー・百貨店主要5社は増収増益3社、減収減益2社と明暗が分かれました。
⑥自動車販売業主要5社は前期の反動もあって5社すべてが増収増益となりました。
⑦パチンコ業主要4社は規制強化もあって4社すべてが減収でしたが、経費削減等で4社すべてが増益となりました。
⑧大分県バス事業主要4社は3社が減収となりましたが、燃料安で1社を除き増益となりました。
⑨放送業3社は大手企業の業績回復もあって3社すべてが増収増益となりました。