「高崎山のサル社会」

日付 2021/01/28
卓話者 高崎山自然動物園 藤田 忠盛 様

高崎山には野生のニホンザルが400年以上前から生息していたと江戸時代初期の古文書にも記されています。そのサルたちを高崎山周辺の農作物被害防止と大分市の観光面へ活用しようと1953年に高崎山自然動物園として開園しました。

一般的にサルに対するイメージはボスザルがいて、群れの中ではキィーキィー喧嘩ばかりして何も考えていないようなイメージを持たれている方も多いのではないかと思います。

実は調査をしていくにつれ、実際はサルたちが独自に作った社会があることが分かってきました。

その社会を何例か紹介すると、まず第1位のオス(ボスザル)を決める方法です。決して腕力、体格、年齢ではなく、経験が豊富な順ですべてのオスに序列が設けられています。

2点目、夫婦関係はなく、パートナーが変わることです。11月から3月の間に発情し、その間、自由に恋をします。したがってサルたちは父親が不明です。その影響でオスザルはコザルに危険が及ぶと全員で守ります。1頭を守ることによって自分の子どもを守ることにつながるからです。

その他、例を挙げますと高崎山のサル社会には数多くのルールがあることが分かってきました。

また、私がサルに携わる仕事を始めて30年経ちますが、過去、様々なサルを見てきた中で特に印象深いのは、自分自身の行動によって群れのオスたちの奮起を促し、群れを強くさせるリーダーや群れの中のトラブルが起きると、真っ先に仲裁に入るリーダーなど人間社会でも通用するようなオスたちがいたことです。

今回、お話しさせていただくサルが伝説のボス「ベンツ」という1頭のオスザルの生涯の一部をご紹介させていただきます。

このベンツは高崎山初のB群、C群、2群のトップになった唯一のサルとういうこと。2002年に起きたA群とC群の衝突によって勝利したC群の立役者。C群のボス時代に失踪し大分市街地で発見、捕獲され、人間の手によってC群に戻されたといった3例が、過去前例のない出来事でした。

このように人間社会と共通するような部分が多いのが高崎山のサルたちですので、皆様も是非、高崎山に足を運んでいただき、実際にサルを見ていただき、私たちガイドの話をお聞き
いただければ幸いです。