高崎山のサル社会

例会日
2019/02/07
卓話者
高崎山自然動物園 楽猿案内 二宮 惇様

私は高崎山自然動物園でガイドを担当しております、二宮惇と申します。

高崎山には現在、2つの群れ、計1,173頭のサルがいます。この2つの群れが午前、午後と別れて園内サル寄せ場へ出現します。元々は野猿による農家被害防止のためにサル寄せを始めたもので、現在は農家被害防止と観光資源としての2つの顔を持っています。

「サル」といえばやはりボスザルです。学術的にはαオスといいますが、一般的にはボスザルの名称が広く知られています。

C群のαオス「ブラック」そしてB群のαオス「ナンチュウ」、この2頭には共通点があります。それは、同じ群れで1番長く生活をしていること。オスの順位といえばよく「ケンカをして決める」といわれますが高崎山では、群れに入った順番で決まります。同じ群れで経験や知識を培ったものがトップにたつ。すごく合理的な決め方です。

そんな、オスたちの役割は群れを守ること。群れ同士の争いや、人間、他の動物から群れを守っています。中心部では上位のサル、周縁部では下位の若オスたちを見張りながらしっかりと守っています。

そんなオスたちですが、最も有名なのはやはり「ベンツ」です。B群C群の異なる群れで2度ボスになった経歴を持ち、A群もベンツの顔を見ると逃げ出すほど恐ろしく強いオスザルでした。晩年は失踪事件など様々な話題を呼びました。その後も高崎山のシンボルとして名誉ボスとなっています。

そして、最近高崎山で有名になった話題としては、「猿がストライキを起こしている」というニュースです。昨年は春からサルが不在という日が非常に多くなりました。原因としては、「エサ」です。高崎山はサルが増えすぎたという事で、エサの総量を毎年減らしています。これは、ニュースでも取り上げていただきましたが、勘違いしている方が非常に多いのです。これは、目的として餓死をさせるのではなく、出産率を下げるために減量を行っています。その過程で山のエサと園内のエサの魅力が変わらないほどになったため、下りてこなくなりました。人間の社会で例えるなら、エサの量は給料と同じですので気持ちはわかりますよね。年々給料カットになれば嫌になります。ただ、減量の結果現在は落ち着いており終日サルもいます。

そうして年中、四季折々の彼らの姿がそしてサル社会が間近で見られる高崎山に、ぜひ足を運んでいただきたいと思います。