最近における税関行政について

日付 2017/04/06
卓話者 門司税関大分税関支署長 小黒聖嗣様

税関の歴史
税関の歴史は古く、鎖国政策から開放された安政6年(1859年)に、函館、神奈川及び長崎の港に「運上所」が設けられ、明治5年(1872年)11月28日に「運上所」
を「税関」と改めたのが税関の始まりであることから、11月28日を「税関記念日」としています。

税関の組織と門司税関の管轄区域
税関は、財務省の地方支分部局として、函館、東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、門司、長崎及び沖縄地区に設置されており、全国を9つのブロックに分けて管轄しています。
門司税関の管轄区域は、山口県全県と九州のうち、有明海に面する地域を除く福岡・佐賀の両県、大分・宮崎の全県と長崎県の壱岐・対馬となっています。

大分税関支署の管轄区域
大分税関支署は大分県全域を管轄し、佐伯港、津久見港及び大分空港に、それぞれ出張所を設置しています。
税関では、税関に課せられた使命である「国民の安全・安心の確保」、「適正かつ公平な関税等の賦課徴収」、「貿易の円滑化の推進」に資するため、輸出入される貨物の取締り、関税・消費税等の徴収、貿易の円滑化への寄与などの税関業務を行っています。

税関をめぐる状況~訪日外国人の増加
最近の税関をめぐる状況について申し上げますと、政府をあげての観光立国推進の取り組みにより、2020年に訪日外国人を4,000万人、2030年には6,000万人に増やすとの政府目標が掲げられており、昨年の訪日外国人旅行者数は約2,404万人(前年比21.8%増)と、右肩上がりで伸びています。
大分県では、別府観光港において、昨年14隻のクルーズ船が入港、約3万人が入国し、今年も13隻の入港が予定されています。
このように旅客が増加する中で、「国民の安全・安心の確保」に関係することとして、
①入国旅客携帯品の迅速な通関を確保すること
② 不正薬物やテロ関連物品等の密輸出入を水際で取り締まること
などが税関に求められているところです。
訪日外国人旅客の誘致においては、「安全・安心な社会」が、日本のセールスポイントであり、テロの脅威が高まる中、税関における不正薬物やテロ関連物品等の水際取締りは、観光立国の実現につながるものと考えています。

水際取締り~不正薬物の摘発事例
平成28年(2016年)の全国の税関における不正薬物全体の押収量は、約1,649kg(前年比約3.2倍)と大幅に増加し、平成11年の約2,186kgに次ぐ過去2番目を記録し
ました。
なかでも、覚醒剤の国内押収量全体に占める水際での密輸押収量の割合は9割を超えおり、押収量は1,501キロと過去最高を記録しています。このなかには、2月に、門司税関をはじめ海上保安部・警察との合同による取締りで、奄美大島沖で外国の船舶から洋上取引された約100キロの覚醒剤を摘発、また、5月には、沖縄(那覇港)に停泊中のヨットから覚醒剤600キロを摘発するなど、久しぶりに洋上取引による大口の密輸を摘発しました。
さらには、中国から到着した海上貨物の検査において、照明器具(LEDライト)内から覚醒剤約150キロを摘発しています。
そのほか、航空機旅客によるものや、国際郵便を使っての密輸もありますが、密輸手口のトレンドは、めまぐるしく変わっており、税関と密輸を企てる者との間で、まさに“いたちごっこ”の状態であり、これが今後も続いていくものと思われます。

税関からのお願い
このように税関においては、国民の安心・安全の確保のため、テロ対策や不正薬物・銃砲等の密輸阻止に向けて積極的に取組んでおりますが、私どもだけでは出来ないこと
もあります。密輸に関係する事例を見聞きした場合は税関へ通報頂きますようお願いいたします。電話番号は、フリーダイヤル0120-461-961(シロイ・クロイ)です。