相続税について

日付 2016/11/17
卓話者 加藤一郎税理士事務所 所長 加藤一郎様

相続税の歴史
相続税の創設は、明治37年2月に開戦した日露戦争の戦費調達を目的として、明治38年(1905年)4月1日に施行されました。相続税創設時の立法根拠は、偶然所得課税説と言われております。それ以後主な改正内容は①昭和21年改正で、民法の改正に対応して家督相続と遺産相続の課税区分廃止。この改正は、GHQが占領政策上の目的、つまり財閥解体後において富の集中が再度日本に現れることを阻止することにあったものと思われています。この時に初めて立法府側から相続税の課税根拠とされている「富の再分配」機能が示されることになります。②昭和25年の改正内容は相続税と贈与税を統合する「累積的取得税」の創設、その税率を25%~ 90%とするというものです。③昭和27年度税制改正で免税点の引き上げ、税率も最高税率を70%に引下げしています。④昭和28年度改正で、累積的取得税が廃止され、遺産取得税方式の相続税と暦年ごとに財産取得者に課税される贈与税の二本立てとする改正が行われました。⑤昭和32年の税制調査会の答申で個人の死亡の際に相続税を課税し、その富の一部を社会に還元することにより富の集中の抑制を行う(富の集中の抑制)及び被相続人の生前に受けた社会及び経済上の各種要請に基づく税制上の特典その他租税の回避等による負担の軽減を清算する(被相続人の一生の税の精算)として、これらは税制上重要な役割を果たすものだと述べております。これにより法定相続分課税方式が創設されることとなります。⑥平成15年度の税制改正において相続時精算課税制度が導入されました。この制度の導入の趣旨・目的は高齢者の保有する資産の有効活用を通じて経済社会の活性化にも資するといった社会的要請もあるとして、この制度が生み出されました。⑦平成25年度の税制改正において、バブル崩壊後の地価の大幅下落への対応、格差の固定化の防止等の観点から基礎控除額の引下げ及び最高税率の引き上げが平成27年1月1日以降相続開始分から実施されました。

国税庁の統計からみる相続税
平成26年度の相続税収は相続税法全体で1兆8,828億円。内訳は相続税が1兆3,904億円、贈与税が2,784億円、その他過年度修正分となっております。税収全体での構成比率は3.5%であります。また、相続税の申告対象となった被相続人は56,239名で11兆3,937億円が課税対象財産となっております。

また、贈与税の申告をされた方は、437,217人でその取得した財産の価額は2兆1,603億円となっております。そのうち納税された方は376,233人で納税額は2,784億円となっております。