近くて遠い「距離感」の困惑

日付 2016/05/19
卓話者 米山学友会、元大分東RC米山奨学生 梁佳様

日本留学に来て以来、多くのやさしい方に恵まれ、「わからないことがあったら何でも聞いてね」とよく耳にします。月日が経つと、日本語が上達し、一般的な日常生活に慣れましたが、黒い瞳、黄色い肌色、見た目だけで留学生だとばれないことが多くなるとともに、周りは急に厳しくなった不思議な感じがします。よく考えたら、それは今まで外国人だから寛容的に受け入れられた都合のよいクッションがいつの間にか消えたからです。いちいち留学生だと説明して得することが恥ずかしい一方、その不快感が溜まっていくと、見えない壁にぶつかり、無力感を感じ、自分や周りにイライラしだします。
一衣帯水だとよく言われる日中両国、いくら似ていると言ってもやはり違う国です。
例を言えば、中国人の観光客の激増により、テレビをつけると中国人の「悪口」のような報道がしばしば耳に入ります。しかし、それは本当に「悪口」にすぎないでしょうか。
自分が他人に迷惑をかけたりした場合は、自ら責任を取るべきです。たとえそれは事前に知らなかったこととしても謝ることは最低限の「常識」です。個人的にそう動くことは難しくないかもしれませんが、外国に来ると「自分は中国人であり、国の顔に泥を塗ってはいけない」のようなプライドが妙に高ぶります。自分のミスだと認めたら中国の負けになると変に勘違いしている人も少なくありません。正しいかどうかは別にして、残念ながらその考え方はおそらく多くの中国人観光客がその場で考えた「常識」に近いものだと推測されます。
同じく「常識」という言葉を使うとしても、立場や出身、経験などによって違ってきます。明言しなくても分かってくれるかなぁ~と期待する気持ちはだれでも持っておりますが、外国人相手の場合はなかなかそううまくいきません。
日本はとても魅力的な国です。留学に来てよかったといつも思っております。微力ですが、自分の留学経験などを活かしながら、今後は日中両国の近くて遠い「距離」の橋になれればうれしく思います。