正当防衛・刑法第36条

日付 平成28年4月14日
会長 小嶋 一範

第36条   急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。

2  防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を軽減し、又は免除することができる。

正当防衛は次の場合に成立します。
① 他より不正な行為が行われること。
例えば、暴力を加えられ、殺されようとしたり、物を盗まれようとしている場合などを示します。もとより、その侵害は人の行為に基づくものでなければなりませんし、しかもそれは不正であることを要します。不正とは、客観的に法秩序に反するものであり、違法であることは勿論、責任
能力のない心身喪失者などの行為も、ここにいう不正な侵害に当たります。正当防衛行為は正当な行為であるため、正当防衛に対する正当防衛は認められないことはいうまでもありません。
② その侵害が急迫なものであること。
今まさに侵害が加えられようとしていることを必要とします。将来侵害が加えられるおそれがある場合や、既に終わった侵害に対しては正当防衛は認められません。
③ 自己又は他人の権利を防衛する行為であること。
侵害行為を排除するいわゆる防衛行為でなければならず、同時に防衛する意思がなければなりません。相手を挑発しておいて、その攻撃に対する正当防衛を口実に、相手を打ちのめすような行為は正当防衛とはなりません。また、守るべき権利は自己のものであっても第三者のものであってもよく、他人のために正当防衛をすることもできます。
④ やむを得ない行為であること。
不正な侵害を排除するためにやむを得ずにとった行為であって、必要な程度を超えない
ものであることを要します。侵害に対して逃げるといったような方法が他にあっても、必
ずしもその方法をとる必要はないが、窃盗を防ぐために犯人を殺すというような行為は、必要な程度を超えたものとされます。防衛のために必要とされる程度を超えた行為を過剰防衛といい、その場合、過剰とされる部分については違法であり、ただ情状によって刑を軽減又は免除される場合があるにすぎません。