国旗の色

日付 平成28年3月3日
会長 小嶋 一範

国旗は、言うまでもなく国家や民族のシンボルであり、国旗の取り扱いにはどの国も充分に
慎重でなければならないはずです。ところが、その常識に反して、世界には国旗の色を間違え
たまま使い続けている「大らかな」国があります。それは東南アジアのフィリピンです。

フィリピン国旗というのは、左側に白地の三角形と、上下を青と赤に二分された部分とに大きく分かれるおしゃれなデザインの旗です。この中で色が間違えているとされている場所は上部の青色の部分だそうです。現在使用されているものは、紺色に近いダークブルーですが、本来は淡いライトブルーだったといいます。

フィリピン国旗がつくられたのは1898年でした。その時の国旗にはライトブルーが使われて
いましたが、スペインに代わってフィリピン植民地の統治を始めたアメリカは、当初、新国旗の
掲揚を許していませんでした。1920年にようやく国旗の掲揚を許した時も、アメリカの星条旗と
並べてなら許可するという条件をつけました。

しかし、そのような事情にもかかわらずフィリピンでは、にわかに国旗ブームが巻き起こ
り、もともと不足気味であったライトブルーの布地が底をついてしまいました。ライトブルー
の部分が紺色になったのは、この時であります。何故、紺色に近いダークブルーかといいま
すと、不足した布地を補うために星条旗用の布地を、急場しのぎに借用したためだといわれて
います。当面の措置として使われていた紺色でありましたが、人々はいつしかダークブルーが
正規の色だと思い込むようになってしまいました。慣れというものは、本当に恐ろしいもので
あります。

その後、国会にてライトブルーに戻す案も浮上しましたが、結局お蔵入りして現在に至って
いるそうです。