文化財防災マイスター

日付 平成28年1月28日
会長 小嶋 一範

市民が一丸となり日本人の貴重な財産を守り 続ける京都市の文化財防災への取り組みを紹介 したいと思います。
京都の町は、歴史上、度々大火に見舞われて きました。全国の国宝の約20%、重要文化財 の約14%が集中している京都市では、現在も文 化財防災に力を注ぎ、先進的な取り組みを行っ ています。その特徴は、文化財関係者と消防機 関及び市民が一体となった「文化財市民レス キュー体制」にあります。文化財を火災による 焼失から守り、初期消火や避難誘導、更に仏像 などの美術工芸品の搬出を迅速に行うために、 文化財周辺の住民や自主防災組織と協力して、 レスキュー資材を備えた拠点づくりを進め、日 ごろから訓練を積んでいるそうです。このよう な活動を自主的に行うために平成17年からは「文化財レスキューリーダー」の養成を開始し、 現在600名以上のリーダーのもと、200以上の 拠点にて活動が行われています。
このような取り組みに加えて、平成22年より「文化財防災マイスター」制度が始まりました。 これは、日頃から神社仏閣などの文化財に接し ている観光タクシーの運転手や観光バスのガイ ド、観光ボランティアガイドなどを対象にした もので、防災・防火・救急救命などの講習会を 実施し、合格認定者には活動用に「応急手当セッ ト」が交付され、災害発生時の初期消火や応急 手当などでの活躍が期待され、導入から10年間 で500名を目標に養成を進めていくそうです。
その他、平成23年からは、災害時の文化財搬 出のために建物内の文化財の所在位置や搬出に 必要な情報を明確にした「文化財トリアージ」 という手法を取り入れるなど、画期的な文化財 防災の仕組みを取り入れています。緻密な計画 と訓練、そして広範な人びとの協力と果敢な行 動。それが文化財だけではなく、社会の安全・ 安心を守るために必要であると「千年の古都」 京都の知恵が教えてくれています。
我々大分県民も大いに参考とすべきことでは ないでしょうか。