はしご車

日付 平成27年10月15日
会長 小嶋 一範

現在、日本国内で一番高いビルは、大阪のあべのハルカスで、地上300メートルの高さを誇ります。では、最も高くまで届くはしご車は50メートル・地上17階相当が国内最高のはしご車と言われています。あべのハルカスのような超高層ビル火災に備えて、もっと高くまで届くはしご車を作ることは、できないのでしょうか?

もちろん技術的には可能でありますが、日本の道路事情がそれを許していません。はしご車は、はしごを伸ばしたときに転倒しないように、車体から4本の足(アウトリガー)を張り出して、支える構造になっています。そのために50メートル級のはしご車で、活動時には、12メートル×6メートルの空き地スペースが必要となり、それより高くなれば、空き地スペースもより広く取らなくてはならなくなります。また車幅もかなり長くなり、狭い道路が多い中、事実上、今の日本の道路事情では、使用できる場所はほとんどないと言われています。更に、現行の道路交通法では、車両の総重量が25トンを超えてはならないことになっているため、50メートル級のはしご車で、車両本体が約22トン、オプションを付けて約25トンであり、これもまた限界とされています。

実際に高層ビルが火災になったらどうなるかと言いますと、建築基準法では、11階以上の消防設備には厳しい設置基準が設けられています。熊本の太陽デパートやホテルニュージャパンの火災を教訓に、定期的な消防機関の立ち入り検査を実施するとともに、万が一火災が起きた時には、強力なスプリンクラーなどが作動して、すぐに消火できる設備の備え付けが義務付けられています。それでも危険だと思われるかもしれませんが、はしご車は10 ~ 11階あたりまで届けば大丈夫と言う理論だそうです。因みに現在では、市レベルの自治体では30メートル~ 35メートル級のはしご車が広く配備され、国内最長のはしご車は、金沢市消防局の54.7メートルが最長だと言われています。