小山ロール

日付 平成27年1月15日
会長 由見 真治朗

世の中には一度は食べてみたい食べ物が沢山ありますが、いま食べてみたい物の一つが「小山ロール」というロールケーキです。

兵庫県三田市にある「パティシエ エス コヤマ」は、約5,000㎡の敷地に本店、チョコレート専門店、カフェ、ギフトショップが点在し、1日に4,000人ほどが来店する人気洋菓子店ですが、3年越しで開発した「小山ロール」がヒットし、ロールケーキブームの火付け役となりました。価格は1,260円で、多い時には1日に1,600本が売れるといいます。2012年には、フランスの最も権威のあるチョコレート愛好者団体「クラブ・デ・クロクール・ド・ショコラ」の最高評価を2年連続で獲得し、国内でも大きな話題となりました。2013年度の売上高は18億円を超え、全国の商業施設から出店の要請が絶えませんが、小山社長は全て断っています。そのため、北海道や九州から飛行機に乗ってでも「小山ロール」を買いに来るファンが大勢いるそうです。

その「小山ロール」ですが、社長の小山進氏が「あのお店が一番美味しい」と言われるようなとびきりのロールケーキを作ろうと思い完成させたもので、TVチャンピオンという番組では審査員100人中85人が「小山ロール」を選び、圧勝で全国ケーキ職人選手権のグランドチャンピオンになりました。ここまで人気のあるロールケーキならば全国展開し、店舗網を広げれば良いような気がしますが、「目の届くところで丁寧に社員を育てたい」と考える小山社長の方針から出店をしないといいます。

小山社長は、毎日約70人の社員全員が仕事への自分の思いを書いた日報に目を通し、ときには厳しい指摘、ときには感謝の言葉でメッセージを返していますが、その目的は「自分と向き合い、課題を見つけること」だと言います。また、終礼での失敗報告会も毎日続けており、失敗を最高の教材として若い世代に身を持って学ばせています。毎年5月には、新人以外の全社員で一週間以上フランスやイタリアの著名なパティシエのお店で指導を受け、有名レストラン巡りや農業体験もしています。

その社員教育の結果が「パティシエ エス コヤマ」の人気の秘密であり、「小山ロール」を始めとするスイーツの美味しさだけではなく、チーム力で顧客の心をつかんだと言えます。店頭に立つ接客係はもちろん、裏方である製造担当の社員も生き生きと顧客と接しており、来店客に笑顔で挨拶し、質問や要望を受ければテキパキと対応する。建物の周囲には季節を感じさせる草木を植え、木陰にはベンチやオブジェ、子供の遊び場も配置されており、ゴミや雑草があればさっと手を動かし片付ける。その素晴らしい空間が顧客に感動を与え、遠くからでもお店を訪れるのです。

この「小山ロール」ですが、三田市のお店へ買いに行っても、当日は開店前から長蛇の列でなかなか手に入りません。早朝から並んで整理券を受け取り、指定の時間に受け渡されます。予約も出来ますが、3ヶ月先まで予約でいっぱいだそうです。

昨年の11月、神戸マラソンで兵庫県へ行った際、義理の弟に訊いてみましたが、地元の人でも滅多に手に入らないと言われガッカリしました。それでもいつかは「小山ロール」を手に入れるチャンスがあれば、是非とも食べてみたいと思います。