念ずれば花ひらく

日付 平成26年9月18日
会長 由見 真治朗

今日は「思う」ことの大切さについて話をさせていただきます。

「念ずれば花ひらく苦しいとき母がいつも口にしていたこのことばをわたしもいつのころからかとなえるようになったそしてそのたびわたしの花がふしぎとひとつひとつひらいていった」

この「念ずれば花ひらく」は、詩人坂村真民の有名な詩ですが、この詩が刻まれた石碑が全国に700基以上あるそうです。「物事は願うでなく、念じる位に思って行動すればいつか花が咲くものだよ」と坂村氏の母親がよく口にしていたそうですが、念ずるとは瞬時も忘れることなく、常に心に留めて思うことであり、終始念じていればやがてその思いは必ず実現するということを言っているのです。

この念じること、つまり思うことの大切さを伝えたのが松下幸之助氏のダム式経営です。ダム式経営とは、景気の良い時にこそ景気の悪い時に備え、経営の中に資金や設備、在庫、その他経営全般のダムを持つことを提唱する松下氏の考え方です。ある時、関西で講演をしていた松下氏は会場から質問をされました。「松下さん、どうしたらダム式経営が出来るのか教えて欲しい」そう訊かれ、少しの沈黙の後、「そんな方法は私も知りませんのや。知りませんけど、ダムを造ろうと思わんとあきまへんわなあ」と答えたそうです。会場には失笑が広がり、「松下さん、答えになってませんよ」とヤジが飛びました。そんな聴衆の中に、この講演を聴きに来ていた創業間もない京セラの稲盛和夫氏がいましたが、この「ダムを造ろうと思わなければならない」と言う松下氏の言葉に大きな衝撃を受けました。稲盛経営12カ条の一つである「強烈な願望を心に抱く」は、このダム式経営の考え方から至ったそうです。

稲盛氏も、「願望を成就につなげるためには、並みに思ったのではダメです。すさまじく思うことが大切。漠然とそう出来ればいいなと思う生半可なレベルではなく、強烈な願望として、寝ても覚めても四六時中そのことを思い続け考え抜く。頭のてっぺんからつま先まで全身をその思いでいっぱいにして、切れば血の代わりに思いが流れる。それほどまでひたむきに、強く一筋に思うこと。そのことが物事を成就させる原動力となるのです」と言われています。

「そうありたい」「自分はこうしたい」と強く思うこと。一つのことを、いつも念じ続けていると、60兆あると言われる体の中の全細胞がそうなっていく。そのことは現代の科学が実証しているそうです。世の中思うようにならない…世の中の様々な出来事に対し、ついついそう思ってしまいがちです。しかしそれは「思うとおりにならないのが人生だ」と思っているからその通りの結果を呼び寄せているのであり、実は思った通りになっているのです。まずは、自分はそうありたいと強く思うことが種であり、人生という庭に根を張り、幹を伸ばし、花を咲かせ、実がなるのです。稲盛氏は、「すべて人生は心に描いたとおりになる。どのような厳しい状況に置かれようと、否定的なことを心に浮かべるべきではない。まじめに前向きに努力していけば、決して悪いことがあろうはずはないと確信して、常に堂々と明るく進まなければならない」と言っております。

国際ロータリーは、平和の推進と紛争の解決、疾病との戦い、きれいな水の提供、母子の健康、教育の支援と識字率の向上、経済と地域社会の発展、そしてポリオ撲滅に重点を置いて活動していますが、ロータリアン一人ひとりが世界の様々な地域で発生する課題の解決に向け、前向きに夢と希望を思い描き行動すること。それがこれからの世の中を明るく素晴らしいものとするために大切なことだと思います。