伝説のスピーチ

日付 平成26年10月30日
会長 由見 真治朗

11月1日は、ロータリー環境デーです。そこで、今日は環境をテーマとしてセヴァン・カリス=スズキの伝説のスピーチの話をさせていただきます。この伝説のスピーチとは、1992年に当時12歳の少女だったセヴァン・スズキが、子供環境運動ECO(EnviromentalChildrenʼsOrganization)の代表として、リオデジャネイロで開催された環境と開発に関する国際連合会議(通称:地球サミット)で「未来世代からのメッセージ」として話した6分間のスピーチのことです。セヴァン・スズキは、国際連合から地球サミットに招かれた訳ではなく、子供代表として話が出来るように粘り強く交渉したそうですが、その渾身のスピーチがあまりにも圧倒的だったため、後に「伝説のスピーチ」と呼ばれるようになりました。

セヴァン・スズキは、1979年生まれ(34歳)でカナダの環境問題活動家です。世界中で環境問題について講演活動を展開していますが、今年の2月に来日し、東京、神奈川、静岡、愛知、滋賀、福岡を全国ツアーで廻りました。当時、子供だったセヴァン・スズキも2人の男の子の母親となり、カナダ西海岸のハイダ・グワイで伝統的な文化を次世代へ継承するプロジェクトに参加しながら、資源循環型の暮らしを営んでいます。

このスピーチで、環境運動を行うことは未来に生きる子供たちのため、死に絶えようとしている無数の動物たちのため、そして自分自身の未来のためだと言います。「太陽のもとに出るのが怖い、オゾン層に穴があいたから、呼吸をするのが怖い、空気にどんな毒が入っているかわからないから。今も毎日のように動物や植物が絶滅しているのを耳にします。それらは、もう永遠に戻ってはこないんです。私たちの世代には、いつか野生の動物の群れを見ることやたくさんの鳥や蝶が舞うジャングルを見る、そんな夢を見ることさえ出来なくなるのではないか。あなたたち大人は、私たちぐらいの歳の時にそんなことを心配したことがありますか?こんな大変なことがものすごい勢いで起こっているのに、私たち人間ときたら、まるでまだまだ余裕があるようなのんきな顔をしています。まだ子供の私には、この危機を救うのに何をしたらいいのかはっきりわかりません。でも、大人のあなた方にも知って欲しいんです。あなた方も良い解決法なんて持っていないことを。オゾン層にあいた穴をどうやってふさぐのか、あなたは知らないでしょう。死んだ川にどうやってサケを呼び戻すのか、あなたは知らないでしょう。絶滅した動物をどうやって生き返らせるのか、あなたは知らないでしょう。そして、今や砂漠となってしまった場所にどうやって森をよみがえらせるのか、あなたは知らないでしょう。どうやって直すのかわからないものを、壊し続けるのはやめてください」

12歳のスピーチとは思えませんが、このスピーチから色々なことを考えさせられます。いまの世代が水や食料、エネルギーなどの資源を使い切り、将来の子や孫、更にその先の世代まで何も残さず、環境破壊や環境汚染、資源の枯渇など負の遺産だけを残す。

現在の国内財政をみると、道路や公共施設は後世に残り将来世代も恩恵を受けるからと建設国債を発行し、将来は人口が減っていく国内に社会資本を整備する。社会保障費が増大するからと特例国債を発行し、将来世代へとツケを回す。そのような国内の財政状況と地球環境問題は、どこか似たような都合のよい考え方だと思います。

地球における環境問題には、二酸化炭素など温暖化効果ガスの放出による地球温暖化、フロンガス放出によるオゾン層の破壊、工場や自動車の排気による大気汚染や酸性雨、生物多様性の減退や生態系の破壊、その他、水資源や食料、エネルギー資源の不足など様々な問題がありますが、将来の世代に負担を強いることなく、いまの世代で解決すべきことは解決する。それがいまを生きる大人の責任ではないでしょうか。