ナマズと地震

日付 平成26年8月28日
会長 由見 真治朗

8月30日から9月5日は防災週間、9月1日は防災の日です。これは、大正12年に発生した関東大震災が9月1日に発生したことや秋の台風シーズンを迎えることから、昭和35年6月11日の閣議で決定されました。国民一人一人が災害について認識を深め、災害に対処する心構えの準備をするために創設され、防災訓練や防災に関する行事等を行っています。防災とは、災害対策基本法で「災害を未然に防止し、災害が発生した場合における災害の拡大を防ぎ、災害の復旧を図ることをいう」と定義されています。

この「災害を未然に防止する」ためには、地震の予知や土砂災害など自然災害の発生をいかに予測出来るかということが大事になってきます。地震の予知といえばナマズが頭に浮かびますが、この「ナマズ」と「地震」との関係についての研究は、関東大震災後に東北大学附属浅虫臨海研究所で行われたほか、東京都水産試験所で1976年から16年間研究されました。現在でも神奈川工科大学工学部で地震予知に関する研究の一環として、ナマズを始めとする動物の異常行動を観察、研究しています。地震の予知とは、「いつ」、「どこで」、「どれぐらいの規模」の地震が発生するかの三要素を明らかにして、初めて地震を予知したことになりますが、地震の予知が進まない理由として、地震研究者の責任の所在、予知情報の社会的な影響、地震の前兆そのものが判別しにくい現象が多いことが挙げられます。地震の前兆現象には、電磁波、大気イオン濃度、そして動物の異常行動などがありますが、一目で前兆と分かるような変化が非常に少ないといいます。神奈川工科大学では、ナマズ以外にネコやスナネズミ、ヘビなどにセンサーを取り付け、動物の行動回数を数値化する実験を行い、今後の地震予知に役立てたいと研究を続けています。

何故、ナマズは地震の予知が出来るのか?ナマズは人間には感知できない電位差の感知能力があり、その能力は人間の約100万倍です。その電位差感知の能力があるため、地震が発生する前の地電流に反応している可能性が高いと言われています。ナマズには生物が発生する微弱な電流を感知し、獲物の位置を知るためにあるロレンチニ瓶という電気受容器官があり、その能力は琵琶湖に投げ込まれた乾電池1個を感知するほどです。そのような凄い能力を持ったナマズならば、本当に地震を感知出来るのではないかと思いますし、気象情報のように正確な地震の予知が出来ることを期待します。

そんなナマズを食べる食文化は400年以上前の江戸時代から続いています。埼玉県の吉川市や岐阜県の羽島市が有名ですが、昔から貴重なタンパク源として重宝されてきました。養殖された日本ナマズは、白身で泥臭くなく薄造りや西京焼き、たたき揚げなどで食べられており、脂肪が少なくコラーゲンも豊富で美容にも良いそうです。

昔から地中に棲む大ナマズが暴れると地震を起こすと言い伝えがありますが、茨城県鹿嶋市の鹿島神宮と千葉県香取市の香取神宮には、大ナマズを押さえつけ地震を鎮めているとされる要石があります。鹿島神宮の要石は大ナマズの頭を、香取神宮の要石は尾を押さえているとされ、この2つの要石は地中で繋がっているとも言われています。

また、佐賀県嬉野市の豊玉姫神社には、古来より肌の病にご利益がある美肌の神様として白い「なまず様」が祀られています。この「なまず様」に素肌健康、しわ退散、皮膚病退散などの願いを込め柄杓で願水をかけると白肌美人になれるとされ、多くの女性参拝客が訪れます。嬉野地区では、古来より「なまず様」を粗末に扱ったり、危害を加えると祟りがあるとされ、食用にすることは禁じているそうです。

このように日本各地でナマズに関する言い伝えがありますが、昔からナマズは特別な存在だと考えられていたのでしょう。
祟りは怖いですが、機会があれば是非、一度はナマズ料理を食べてみたいと思います。