テレビ業界事情について

日付 2014/12/11
卓話者 藤澤民雄会員

最初にテレビ業界の“営業” について簡単にお話しさせて頂きます。放送局の収入は放送収入その他の収入に大別されます。

その他の収入は主に事業収入で、いわゆる公演もの(観劇やコンサートなど)とイベント(ラーメン博や正月の猫展・夏休みのロボット博など)の入場券販売によるもので、わが社の場合、総収入の5%弱であります。後の95%は放送収入、即ち広告収入となるわけです。同封の資料は放送局の放送番組表で、これに沿って放送されますし、営業のセールス資料となります。昔の私が営業担当としてタイムやスポット等セールスする時は、A4の封筒に入れてスポンサー廻りをしていました。

1970年開局当時は、名物番組「11PM」15秒週1回で月額料金2万円ほどの“広告取り” に歩いたものです。セールス方法は時代で変化していますが、現在スポットセールスでは、視聴率データを使用したコストセールスが東京市場を中心に行われています。視聴率調査は、第三者である調査会社ビデオリサーチが無作為で抽出した200世帯(大都市を除くは600)に設置した専用機械で行っています。1分毎の対象世帯が何チャンネルに合わせていたかを、集計したもの、そのデータを各社が購入し利用しています。多メディア化、多チャンネル化、趣味の多様化などで、2桁いけば合格、15%超えでヒット、20%超えで大ヒットと言われる現在ですが、昔の関東地区における最高視聴率はビデオリサーチが視聴率調査を開始した1962年以降は1963年(昭和38年)NHK総合テレビ『第14回NHK紅白歌合戦』で記録した81.4%であり、民放では日本テレビのプロレス中継『ザ・デストロイヤー×力道山』の64.0%が最高で、他の民放各社の最高視聴率はサッカーFIFAワールドカップの日本戦が獲得しています。スポーツコンテンツは強く、「スポーツのTOS」として今後も県内スポーツに力を注いでいきたいと思っています。

視聴率に関する最近の傾向は、制作サイドもチャイルドからM2、F2層までをコアターゲットと捉えており、スポンサーの多くもこれらの層、特にM1、F1層を意識してCMを流します。M・F1層(20 ~ 34歳)は結婚、出産、子育てと時代をつなぐ一大事業の真っ最中であり、日本経済を支えていると言えます。

大分地区の視聴率調査の状況ですが、OABの開局に伴い、1997年(平成9年)4月より機械式調査が導入されています。サンプル数は大分市の200世帯です。

結果はお蔭様で、今年の11月時点で、TOSが2006年(平成18年)より8年連続三冠王、特に全日(6時~ 24時)は機械式になって以来18年連続トップを維持しています。また、今年の個人視聴率は24部門中、春は22冠、秋は19冠と、圧倒的な支持を頂いておるところであります。

今年4月スタートしました地区民放初の夕方情報生番組『ゆ~わくワイド』について、少し宣伝と裏話などをと思っています。わが社はローカル局の使命とも言われるコンテンツ制作力面では、必ずしも他社に対して優位に立っているとは言える状況ではありませんでしたが、制作現場は人から言われる前に自主的に前向きにとの意識が芽生え具体案の検討がなされたと聞きました。

3カ月をかけて検討の結果、夕方ワイド案は、当初の案は月~金ベルトの1時間。企画もの2本と中継1本という方向性が出たため、制作スタッフの員数、設備などの予算概算を作成し編成制作会議にて検討の結果、11月に上申となりました。そこでの私の決断は①費用の再考と企画内容を再検討すること②従来の様に制作部だけでなく報道部・映像部が一体となり当たること③ハロー大分と差別化を図ること④人・物・金を集中配分することへの全社の理解と協力を得ることという条件を指示しました。実は、これまでも同様の企画提案は過去2回ほどあり、経費と売上との関係から実施に至っていません。しかし経営状況や現在の本社営業力からして、“今しかナイ!” との思いで、即座に“GO!!” の思いに至った訳であります。修正案を役員会で決定したのは12月上旬でした。決定後は、極秘裏でスタッフ集めに奔走した制作部の面々の苦労は相当なものがあったと推測しています。特にリポーターやコメンテーター陣は県内だけでは困難なため、県内外のネットワークを使い県出身者の人選に取り掛かりました(県内情報番組であり、とことん大分県に拘りたい)。制作陣は日ごとに整いつつありましたが、営業面で不安がなかったかと言えばうそになります。3月31日(月)スタートの前週、当初の計画通り34社の提供社決定の報告に大きな感激を覚えました。『ゆーわくワイド』の視聴率も順調で、10月13日の「台風19号発生情報」は番組最高の15.0%を記録しました。急遽内容変更での対応はテレビ本来の役割を再認識させられた次第です。その他、4K・8Kについては資料にて説明させて頂きましたので詳細は割愛いたします。

以上