たまごの話

日付 平成26年11月6日
会長 由見 真治朗

昨日は「いいたまごの日」でした。そこで、今日はたまごについて話をさせていただきます。たまごは店頭価格の変動が小さく「物価の優等生」と呼ばれています。昭和21年の国民1人あたりの年間鶏卵消費量は12個だったのが、平成5年には336個で世界トップでしたが、平成23年は329個となり、メキシコの358個に抜かれ世界第2位になりました。鶏卵卸売価格は、昭和25年の210円/kg以来、鶏卵相場により動きはあるものの、現在も200円/kg前後の安定価格で推移しています。

この「物価の優等生」であるたまごの価格は、養鶏場の規模拡大や自動化、人工的に照明を調整することや遺伝的改良で産卵数を増加させるなど、養鶏業者の企業努力により維持されています。1年ほど経過すると卵質が低下し、産卵率も下がり、秋から冬にかけて2~4ヶ月の休産期にはいることから、約半数の養鶏場では強制換羽を行います。強制換羽とは、休産期に雌鶏に餌を一切与えず絶食させ、栄養不足にすることで強制的に羽毛を生え換えさせる方法です。この強制換羽では、体重が25%~30%減少し、絶命寸前に給餌を再開すると真っ白な羽が生えてくるそうです。そして、また8ヶ月間はたまごを生むようになると、採卵期間が延びてヒナの導入回数が減ることでコストが削減出来ると言われています。このような努力により60年以上が経過し、米の価格が5倍程度になった今もたまごの価格は大きく変動していないのです。

ところで話は変わりますが、皆さんはたまごの中にある、白いヒモのようなものの名前を知っていますか?あれは「カラザ」といい、たまごの黄身の位置を安定させるためにあります。皆さんはこの「カラザ」を食べていますか?私はあの感触が嫌いなのでよけていましたが、実はあの「カラザ」には、シアル酸が豊富に含まれています。このシアル酸は、ウイルスや細菌などの感染を防ぎ、免疫力を高める働きがあるとされていますが、最近の研究ではガンの予防にも効果があることが分かっています。

たまごがコレステロールの高い食材であることは間違いなく、50~60グラムサイズ1個が含むコレステロールは200~240ミリグラムで、食べるとコレステロール値が高くなると言われています。厚生労働省が発表している日本人の食事摂取基準では、健康な成人が1日に摂取して問題のないコレステロールは男性が750ミリグラム未満、女性が600ミリグラム未満となっています。しかし、この基準は世界でもトップクラスに甘く、十分な根拠も得られていないことから来年の改訂版では削除されるそうです。ちなみに、アメリカでは米国農務省の基準で健康な人は1日300ミリグラム以下が望ましいとされています。

ところが、たまごを食べるとコレステロール値が上がるのかというと、そう単純でもありません。実は体内のコレステロールのうち、食事から摂取しているのは一部にすぎず、8割程度は肝臓など体内で作り出しているのです。悪役と見なされやすいコレステロールですが、細胞膜を構成するほか、脂肪の吸収に必要な胆汁酸や性ホルモンの原料となり、体には欠かせない成分です。また、たまごに含まれるレシチンやオレイン酸は悪玉コレステロール(LDL)を低下させ、善玉コレステロール(HDL)を増やしてくれる働きもあり、脳の機能を高めるコリン、目に良いルテインなどの栄養素や良質なタンパク質を含み、摂取を控えすぎるとプラスよりもマイナスの方が大きくなってしまう可能性があります。

一日に1~2個であれば多くの人には影響しないそうですが、既にコレステロール値が高い人は吸収しやすい体質である可能性があるので、少し控えめにした方が良いかも知れません。価格も栄養価も優等生のたまごですが、やはり肉や魚、大豆など他のタンパク質もバランスよく摂取した方が良いようです。